低用量抗がん剤療法


放射線治療(主役)+ 低用量化学療法(脇役)

放射線治療については、来院されたときに説明させていただきます。

 

2013年5月右腎臓尿管全摘出術、一部膀胱切除術を受け、同年6月GCP化学療法の標準療法を受けました。GCPとはゼムザール、シスプラチン、パクリタキセルの頭文字を取ったものです。使用量は身長・体重・体表面積から割り出した標準量でした。1回投与量はジェムザール1800㎎、ランダ120㎎、パクリタキセル150㎎でした。副作用は激しく急性腎障害による意識障害まで経験し、1回投与終了後体調回復した2週間後に自己判断で勝手退院しました。標準抗がん剤治療の恐ろしさを身をもって経験した私は低用量抗がん剤治療の文献を探しまわりました。その結果、2005年の「Clin Cancer Res. 2005 Sep 15;11(18):6713-21.」、2013年の「Int J Cancer. 2013 Jul;133(1):98-107. doi: 10.1002/ijc.27990.」の論文に低用量ジェムザール(ゲムシタビン)療法は選択的にキラーT細胞の働きを抑制する制御性T細胞Tregを腫瘍周辺から遠ざけ、その数を激減させ、抗腫瘍効果を発揮したと報告していました。この論文は私の気持ちを明るくし、低用量でも効く、いや低用量の方がよく効くのではないか、抗がん剤は主役ではなく脇役ではないかと思うようになりました。縁あって出会ったがん治療専門医の光畑医師に低用量ジェムザール情報を伝え協力をお願いしました。2年間に及ぶ治療で実際に使用したジェムザール50㎎、パラプラチン5㎎、タキソテール10㎎を1回量としてジェムザールは標準治療の36分の1の低用量を週1回、7週間連続投与、3週間休薬し、5週連続して2週間休薬、4週連続して4週間休薬と副作用とリンパ球数を見ながら休薬期間を柔軟に調整してもらいました。このような低用量抗がん剤治療中、一貫して自己免疫であるリンパ球数を維持し、寛解を手にした時の喜びは大きなものでした。

もう一つ私が実感した印象は、低用量といえども薬の効果を実感したのは2回受けた放射線照射と併用した時のみでした!!

 

 白金製剤

一般名 シスプラチン カルボプラチン
商品名  ランダ  パラプラチン
種類 10㎎ 20㎎ 50㎎ 50㎎ 150㎎ 450㎎
大学の1回量 120㎎  
私の1回量   5㎎

※ 私は1年半にわたって低用量治療を受けました。大学は1回投与で逃げたため総投与量の比較はできません。

※ 最初の3ヶ月はUFT内服中に粒子線治療を受けました。担当のF医師からUFT内服は粒子線治療効果を高めると説明がありました。続いて、抗がん剤ナベルビンの点滴治療を受けていましたが、体が効いていないのサインを送ってきたため光畑医師にこの薬は効いていないのでやめてほしいと伝え、ジェムザール、パラプラチン、タキソテール治療に変わりました。この期間に腸骨リンパ節にコバルト照射を受けており、この間この薬は効いていると直感しました。振り返ると本能的な直感は的を射ていたと思います。

 タキサン系抗がん剤

一般名 ドセタキセル パクリタキセル
商品名  タキソテール タキソール
種類 20㎎ 80㎎ 30㎎ 100㎎
大学の1回量   150㎎ 
私の1回量  10~20㎎  

この治療を振り返って光畑医師からもらったメールは、

『右腎尿管全摘から岡大化療、ICU入院その後の肺、骨、リンパ節転移が治癒したのは、泌尿器科学会でも極めてまれな症例報告と思います。小生が考える治療内容に大田先生自身の猛勉強による治療方針に正直戸惑いの連続でしたが結局その緊密な折衷案でここまで来られたのですから大したものだと思います。』