シビレ・ピリピリ痛・脳過敏症

 

シビレ・ピリピリ痛、異痛症は、脳過敏症に多い。気になるシビレ・ピリピリを脳が強固に記憶してしまったため、慢性痛となって日常生活に支障をきたした状態です。

ロキソニンからリリカ、リリカ関連薬、テグレトール、合成麻薬(フェンタニル、メサドンなど)など全て無効です。効果を発揮するのは、意欲、興奮、依存ホルモン、ドーパミンと幸せホルモンセロトニンとのバランスを調整するお薬。活気、意欲ホルモン、ノルアドレナリンと幸せホルモンセロトニンのバランスを調整するお薬。気分安定ホルモンGABAを増やすお薬の3剤です。

 

神経支配領域と一致しない、なぜ

アロディニア・異痛症の部位は脊髄神経支配領域を示すデルマトーム(皮膚分節)と一致しません。

シビレ・ピリピリの範囲は神経の支配領域と無関係に現れています。このことは解剖学では説明できない現象なのです。よって、心が作り出した幻の痛み脳が強固に記憶してしまった実在しない痛みと言われる理由です。

治療は

ノルアドレナリン、GABA、セロトニン、ドーパミンなどの神経伝達物質のバランスを時間をかけて正常化することにより症状は軽減します。

シビレは青色、ピリピリ・ピリピリ痛は赤色で表示してあります。
                 

 

患者さんに記入していただいたシビレ、痛みの範囲

 :シビレ  :ピリピリ痛

 図はクリックすると拡大されます。

37歳 女性 主訴:左後頭部の痛みと左顔面の痛み

38歳 女性 主訴:体のシビレ、頭痛

61歳 女性 主訴:左陰部鼠蹊部から両足のシビレ痛


29歳 男性 主訴:体が痛い

59歳 女性 主訴:左腕のシビレ

 

 64歳 女性 主訴:右手のシビレ、頭痛

54歳 女性 主訴:左手のシビレ

 

80歳 男性 主訴:顔面の痛み

52歳 女性 主訴:右頚部から手先にかけての痛み、感覚がない


69歳 女性 主訴:首こり、肩こり

 

28歳 男性 主訴:くらっとする

 

45歳 女性 主訴:フワフワしためまい、手のシビレ


72歳 女性 主訴:右首から肩、腕の痛み

15歳 女性 主訴:頭痛


 39歳 女性 主訴:手足のシビレ、背中・肩・腕のヒリヒリ感

38歳 女性 主訴:体のシビレ、頭痛

 

61歳 女性 主訴:左陰部鼠蹊部から両足のシビレ痛み


58歳 女性 主訴:足のシビレ

68歳 女性 主訴:不眠、めまい、足のシビレ

44歳 女性 主訴:足のシビレ


60歳 男性 主訴:右足指のシビレ

76歳 男性 主訴:足裏、尿道の痛み

49歳 男性 主訴:両足のシビレ


29歳 男性 主訴:体が痛い

 

54歳 女性 主訴:身体、右足の痛み、両手のシビレ、歩きにくい

86歳 男性 主訴:耳鳴り、膝・肩甲骨・胸・腰の痛み、右手足のシビレ


53歳 男性 主訴:右足のシビレ・痛み

56歳 女性 主訴:頭痛、肩こり

64歳 女性 主訴:全身の痛み


37歳 女性 主訴:右顔面、右腕右足のシビレ

76歳 男性 主訴:肩、腰の痛み

32歳 男性 主訴:両手足、足裏のシビレ


アロディニア・異痛症の治療

◆ 薬物療法

・アミトリプチリン(トリプタノール)、バルブ酸ナトリウム(デパケン、セレニカ)はアロディニア・異痛症に           有効か、、、?

・セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤デュロキセチンはアロディニア・異痛症に有効か、、、?

・リスペリドン、アリピプラゾールはアロディニア・異痛症に有効か、、、?

・プロプラノロールはアロディニア・異痛症に有効か、、、?

・NMDA受容体拮抗薬はアロディニア・異痛症に有効か、、、?

・プレドニン、抗TNFα薬はアロディニア・異痛症に有効か、、、?

・交感神経ブロックはアロディニア・異痛症に有効か、、、?

・パルス高周波法による神経ブロックはアロディニア・異痛症に有効か、、、?

・脊髄刺激療法SCSはアロディニア・異痛症に有効か、、、?

 

◆ 運動療法
自発的な運動習慣は効果的です。

運動は脳のドーパミン報酬系を活性化するため、ランナーズハイという言葉があるように運動は快感を呼びます。俗に、走るのは楽しくて癖になるといわれる理由です。ランナーズハイは、ドーパミン報酬系の活性化によるものです。適度な有酸素運動は、慢性痛を治す効果のあることが分かってきました。運動により中脳腹側被蓋野VTAのドーパミンニューロンが適度に賦活され、側坐核に至るドーパミン報酬系のバランスを正常化し、前頭前野を元気にします。オススメは一日10分~20分のリズムウォーキングです。

 

◆睡眠療法・メラトニン療法
概日リズム調整がうまく出来なくな ると抑うつや不眠がやってきます。成長ホルモン、メラトニンホルモンの分泌される夜10時の就寝がベストです。メラトニン1~5mgの夜8時~10時内服は異痛症に効果的です。

 

認知行動療法・呼吸法(サムサーラ)

認知行動療法のなかで一番のお勧めは呼吸法です。

 fMRIの研究により、吐く呼吸である呼息運動に意識を集中した瞑想者はDMN領域(デフォルトモードネットワーク)の活性化が低いという結果が得られました。これは何を意味するかと言えば、DMNは最近存在の分かった宇宙のダークマターのように脳科学では未知の分野でした。人が何もしていないぼんやりとしたときの脳活動を調べる研究は予想外な結果に至りました。このぼんやりとしているアイドリング状態の脳をfMRIで調べると、多くの分野が活性化していることが分かりました。久賀谷亮によると、このDMN領域が脳全体の60%以上のエネルギーを消費しているという報告もあります。一日数万回も浮かんでは消える自動思考、頭から離れない体のシビレ・ピリピリ痛は、このDMNが作り出しているのかもしれません。吐く呼吸に意識を集中した呼吸法はこのDMNを鎮静化させ、自動思考化したシビレ・ピリピリ痛を緩和すると考えられています。

易治療性

物事に集中しているときはなんともないシビレ・ピリピリは比較的治りやすい。

治療抵抗性

自動思考化され、常時あるシビレ・ピリピリ痛は治療抵抗性で治りにくい。特に、足うら、性器の痛覚過敏は治療抵抗性です。この場合は、運動療法が難しく、室内での筋トレ、呼吸療法は有効です。

補)若い女性に多い

頭部顔面アロディニア・異痛症

  • 顔に風が当たると痛い                 
  • 髪に触っても頭が痛い、クシやブラシを使っても痛い     
  • 眼鏡が不快でかけ辛い、イヤリングが不快で辛い       
  • 枕に当たる所が不快で寝られない              
  • 舌がピリピリして味がわかりにくい             
  • 口の中が不快で食事が楽しくない              
  • 頭、顔のシビレ、不快感は左右対称的にある        
  • シビレ、ピリピリは常時ある                
  • シビレ、ピリピリは変動があり、なんともない時もある

なぜアロディニア異痛症は起きるの?

 

心は体に強い影響力を持っているからです

 

脳を疲れさせるほど蓄積したストレスは、シビレ・ピリピリ痛として皮膚に症状を現わします。アロディニア・異痛症はストレスの吹き出物とも言えます。

シビレ・ピリピリ痛は様々です。足裏にくるピリピリ痛は難治性です。動物にとって痛みは闘争・遁走に不便です。動物は闘争・遁走中に痛みを感じにくくする痛み抑制系神経を活発にしています。人も無我夢中のときは、あれほど痛がっていた難治性の足裏の痛みを忘れて走ります。

どんなストレスが異痛症の原因になりやすいの?

・ 性 格 :真面目、几帳面、完璧主義、こだわり

 睡 眠 :遅 寝、不規則睡眠、短時間睡眠

・ 運動不足:とにかく歩かない、すぐに車を使う

・ 環 境 :騒音、光、臭い